疲労の中でも歌える

実は去年の柚は不作だったんですよ。
家の裏山には今は亡くなったじいちゃんが数十本以上柚の木を植えていたのです。じいちゃんは柚の木に柚が実る姿を拝まずに逝ってしまいました。実ったのはオレが高校に入るあたりだったかな。秋に裏山を望めば、透き通るような柚の香りが鼻を擽るのです。柚の枝には棘があって、風に揺られ、枝が撓むたびにそれが柚の表皮を刺し、そこから香りが溢れるのです。
それを収穫して地元の農協が開催する祭りで場所を借りて売ってました。最初は家と同じく柚を作っている家の息子である友人と一緒に売ったんですよ。一人で売るには多少の勇気が必要でしたね。面白い偶然で、その友人はオレと一緒に路上ライブをやってた仲でして、アコギでコピーしてた曲は「ゆず」の曲でしたw周りの友人はオレ達が柚を売っていることは知らなかったけど、友人のも家の両親もその偶然に面白がっていましたねw一緒にゆずのライブにも行った中でしたが、やがて要領をえてからは一人で売るようになりました。お互いに忙しくなったんですよ。時は流れていますからね。
何をもってして柚が不作だったかと言うと、実った殆どの柚の大きさが例年になく小さかったのです。それは収穫を渋るほどの小ささだったのです。結局親父が下した判断は様子見と収穫の断念が合わさったものでした。結局柚は大きくなることなく枝の先にぶら下がったままでした。
今日見た小さな柚は棘に刺さって黒ずみ、やや萎んでいるかのように見えました。そのままにしておくわけにもいかないので親父とオレで泣く泣く遅い収穫をしたのです。出荷するわけではないのでゆっくりと鋏で柚を捥いでいきました。
肥料を与えても外的な環境に柚は負けたのでしょう。作業中、そんな感じがしました。今年の秋には実っていることを信じながら、オレも出来うる限りのことを柚にしてやろうと思いましたね。
見るのも無残な柚を収穫している最中、心の中で歌詞を口ずさみ、鼻歌を鳴らしていた仕事歌になっていた曲を紹介。

THE BEST OF TULIP

THE BEST OF TULIP

ベスト盤に収録されている「サボテンの花」と「青春の影」を歌ってました。とは言っても覚えている歌詞を何度も何度も繰り返しただけですけどね。寒い中での作業でも歌うことに集中していると厳しさを忘れます。没頭していればしているほどいいですね。
「サボテンの花」の歌詞
「青春の影」の歌詞
明日はイベントですね。早めに寝るとします。