昨日観た映画

SEN2005-10-30


それは、『チャーリーとチョコレート工場』です。
ティム・バートンジョニー・デップのタッグを組んだ映画。オレみたいにそれ程映画に詳しくなくとも、ジョニー・デップの巧みな演技力は『パイレーツ・オブ・カリビアン』でご存知のはず。
昨日の日記にも記したとおり、二人の友人と野郎のみの三人でレイトショーに臨みました。オレ自身はレイトショーで映画を観るのは初めてだったのですよ。ですので「夜だから」と観客は少ないと思っていたのですが、これが大間違い。あらかじめ友人にチケットをとっておいてもらったので、入場時間ちょうどにモギリさんへチケットを渡し、半券をもらってシアターに入り、滞りなく席について入り口の方へ目をやると、映画を楽しみにしている人たちが次々と入ってきたのです。映画公開日から大分日にちは過ぎているというのに席があと十数人で埋まるほどでした。あ、でもすぐ暗くなったからよく見ていなく、オーバーな表現だったかもです。何せ眠気と空腹で意識はやや散漫していたはず。
実は昼飯を午後の4時にとっていたので夕飯は抜いていました。それで入場前に物販から漂うバターの匂いに誘われるまま、ポップコーンとウーロン茶を購入して観賞しましたよ。観賞中は極力音を立てないようにポップコーンを噛み噛み、ストローで静かに茶を啜っていましたけれども、友人や周りの観客に迷惑かけていたかも・・・。音楽が鳴り響いている時を狙って食べていたけど、うーん・・・怪しいですね。腹中に重たさを感じるに連れて観賞の目も冴えてくるのです。
それでは『チャーリーとチョコレート工場』を観た感想を記します。ネタバレを含みますよってことです。
宣伝などで入ってきた話のおおよそは「チャーリーがチョコレート工場に行って、チョコレートの製作過程をみて驚愕する」ぐらいでした。その中で笑いあり、ハプニングありの連続があるだろうと検討をつけていたのです。ですが、内容は深かった。主人公が置かれている場所があまりにも底で、ナレーションが無ければ見ている側も救われないのではないかと思いました。
貧困ではあるけれども、主人公と同じ屋根の下で暮らす家族達は互いに愛情を与え合っていて、理想の「家族」のカタチを見れた気がします。同じ物を食べあうことでお互いが思うことや傷ついていることがわかり、励ましあい、分け合って日々を暮らしていくのですね。現状から苦しみを一人で抱え込んでいる姿は、主人公をはじめとした家族の中に誰もいなかったです。それだから見ている側に重々しいしこりが残っていないのだと思いますよ。
映画に限らず、話の中に絶対に楽しくならないテーマがあります。それは「貧乏」「病気」「戦争」。これらのテーマに沿った話があったとして、結に克服があったとしてもそこまで辿り着く過程は険しく、多少の笑いを入れたにしろ辛いテーマに打ち消されてしまいます。だからそういった話は感動路線になるんだろうなーって。これは某巨匠漫画家の言葉から感化されて考えたことですけどね。
しっかし、ナレーションが入ったことで主人公が幸運を掴む事がわかっちゃって話自体に安心を持たせすぎではないかな?と思ったんですけど、プロセスに驚きがあったので意表を突かれました。簡単には・・・ってことですね。
五人の子供とそれに同伴する大人が工場に入るところからがエンターテイメントの始まりでしょうか。ジョニーが演じるウォンカのエキセントリックぶりに呆然とするのは普通の反応ですよね。でもスクリーンの向こう側のことだからオレは笑っていました。
この作品を観賞中に「んなばかなw」と言うのは禁句。次から次へと面妖なことが主人公達と観客の目に飛び込んでくるのです。工場に入った子供の中にデジタル世代の申し子みたいな子供がいて、リアルなことを言っていたらウォンカに一喝入れられていましたからね。奇怪な事に中てられれば、いずれ麻痺してきます。それはまるでアニメを観ているように。「ありえない」の一言がどれだけ興醒めを味わうか。
観る時の姿勢を冒頭で気づいていればよかったなぁと思った、ウンパ・ルンパ登場シーンwもう笑えましたよ!ちっちゃなおっさん達が踊っては歌うのです。しかも、おっさんたちはみーんな同じ顔!光沢あるスーツで全身を包み、面白い動きをするのです。例えるならば『アラジン』のジーニーが歌う時みたいでしたね。てか一番の功労賞はウンパ・ルンパですよ!最後も持っていくしw二番手はリス。とてつもなく可愛かったなぁ。あと映画中に流れている音楽を手がけたダニー・エルフマンに乾杯!
とりあえず、この『チャーリーとチョコレート工場』のテーマは「家族」ですね。親がいかに子供へ影響を与えるかってこと。甘やかすことが「愛」とイコールで結ばれないということかな。自分自身をうまく客観的に見れない子供に日々の中で教えてあげることが親の務め。むしろ「務め」なんて言葉を用いなくても子供と「愛」を持って共に過ごしていればいい。そんなところを感じました。
そう言えばこの作品の原作本は、イギリスの子供が好きな本の3位らしいです。監督の頭の中が現れた映画だと思っていたけど、原作はそれ以上に面白いのかもしれませんね。
そしてオレがこの映画から得たものは「勇気」です。この作品を観てそう思った人いるかなぁ?

ティム監督とジョニー・デップのタッグ作品である『コープス・ブライド』も観たい!
でも男だけで観るのはヤンダ・・・(´A`)