今日は部屋の掃除をしたかった

しかし何かと忙しくて着手できなかったのです。
落ちているものを拾うことが得意と思っていたのに、余りにも膨大な量に面食らってどれを手にすればいいのかうまく選択できませんでした。とりあえず両手で抱えてみたものの、山の中に隠れて見えなかったり、腕に収まりきれなかったものを前にしたら、小さな溜め息が自然に出てしまいます。
溜め息かぁ……。
素晴らしい芸術作品を目の当たりにすると溜め息を漏らしたり、体が震えたり、涙を流したりします。これは作品に対して「かなわない」と感じたことによる反応ですね。充足よりも畏怖に似た感情が全身を縦横に駆け巡るんですよ。
ただ、「かなわない」と思うと同時に「憧れ」が生まれます。それが自分に与えられたものだと、自分だけが感じた価値ある経験だと捌け違って、作品に自分を近付けようと行動に移しまいがちです。さらに、その行為で自身を昇華させることで心を満ち足らせ、何も進歩の無いまま遠巻きの一人として完結させてしまいます。
何事も徹底が肝心。
無から有を作る産みの苦しみこそが自分だけのもの。誰かにその苦しみの理解を伝えても詮無い。どしっと構えて影響された自分を世に観てもらおうじゃありませんか。
人は他に迷うことを許さない。オレはその事を知っているから少し人に優しくなれているかもしれないです。
なーんちゃって。
明日は晴れてほしいですよ。掃除はいくらかできるかもしれません。